バスケットボールシューズの世界において、「シグネチャーモデル」は選手とブランドの哲学が融合する象徴的な存在です。
今回レビューする LI-NING 「WADE Dlo 1」 は、NBAプレイヤー ディアンジェロ・ラッセルの初めてのシグネチャーモデル。
彼のプレースタイルを反映したこの一足は、中国発のブランド「LI-NING(リーニン)」のサブブランドである「WAY OF WADE」からリリースされました。
「Dlo 1」は、ラッセル選手の“蝶のように舞い、針のように刺す”という柔らかくも鋭いプレーを体現したデザインコンセプトをもとに開発されています。
デザインはもちろん、パフォーマンス面でも注目されており、特にブームクッション搭載でありながら2万円を切る価格というコストパフォーマンスの高さも話題です。
このレビューでは、「Dlo 1」の外観やスペックだけでなく、実際の使用感を通じて感じたパフォーマンスや快適性についても細かく紹介していきます。
グリップ性、クッション性、フィット感、そしてサイズ選びの注意点まで、これから購入を検討するプレイヤーにとって役立つ情報を丁寧にお届けします。
初シグネチャーならではのこだわりやプレースタイルへの適応性など、他のモデルにはない魅力が詰まった一足。
その全貌を、これからじっくり紐解いていきましょう。
※「Dlo ice」というバッシュが既に存在していますが、公式で「Dlo 1」はディアンジェロ・ラッセルの初シグネチャーとしているので、当記事でもそのように扱います

LI-NING 「WADE Dlo 1」の概要

LI-NING 「WADE Dlo 1」について
LI-NING 「WADE Dlo 1」は、NBAのスターガード、ディアンジェロ・ラッセル選手の初シグネチャーモデルです。
このバッシュは、中国のスポーツブランド「LI-NING(リーニン)」の中でも、ドウェイン・ウェイドが展開するサブブランドWAY OF WADE(ウェイオブウェイド)からリリースされており、機能性とスタイルの両立を追求しています。
最大の特徴は、フルレングスのBOOMクッションを採用しながらも、価格を1万7900円に抑えているという点。
プロユースにも耐える高機能モデルでありながら、コストパフォーマンスに優れた設計がされています。
デザイン
デザインテーマは「蝶」。
これはラッセル選手自身が持つ「セクシーで滑らかなプレースタイル」を視覚的に表現したものです。
- シュータン部分には太極図(陰と陽)を配置し、バランスと調和を象徴。
- ヒールタブには「FEARLESS(恐れ知らず)」「FAMILY(家族)」の文字が刺繍されており、選手の価値観が反映されています。
- アウトソールには、伝説のボクサーモハメド・アリの名言「Float like a butterfly, sting like a bee(蝶のように舞い、蜂のように刺す)」の一部が刻まれています。
カラーバリエーションのひとつ「ENERGY DRINK」は、派手なピンク寄りの赤をベースにしたアグレッシブな配色。
独特な美しさと存在感を放っています。
重量
軽量性も「Dlo 1」の大きな特徴です。
サイズ | 重量(片足) |
---|---|
US11 | 約360g |
この重量は、バスケットボールシューズの中ではかなり軽量な部類に入ります。
軽さを追求するプレイヤーにとっては、大きなアドバンテージとなるでしょう。
その他の特徴
- 価格帯:税込1万7900円前後(セール時はさらに安くなる可能性あり)
- ブランディング:WAY OF WADEとラッセルの両方のロゴを配置
- 設計:アッパーにはテキスタイルメッシュとTPU補強を採用し、通気性と耐久性を両立
- カットタイプ:ローカットながらも足首まわりのホールド性を高める工夫あり
このモデルは単なる見た目の派手さだけでなく、素材選定・機能配置・価格バランスまで、全体的に「こだわりの詰まったシューズ」であることが見て取れます。
LI-NING 「WADE Dlo 1」の性能

LI-NING 「WADE Dlo 1」の最大の魅力は、その価格からは想像できないほどのハイスペックなパフォーマンス性です。
ここでは、クッション性・グリップ性・フィット性・サポート性など、それぞれの性能について詳しく解説していきます。
クッション性
「Dlo 1」には、2種類のミッドソール素材が組み合わされています:
部位 | 使用クッション | 特徴 |
---|---|---|
前足部〜足全体 | BOOMフォーム(フルレングス) | 軽量・高反発。地面をしっかり蹴れる「バネ感」が特徴。 |
ヒール部 | ライトフォームウルトラ | 着地時の衝撃吸収を担う。軽さと安定性を両立。 |
- 反発感が強く、それでいて地面の感触もしっかり残る仕上がり。
- クッションが厚すぎず、俊敏なステップや方向転換に影響が出にくい設計。
- ヒール部分は沈み込みがやや大きめで、「クッション性重視のプレイヤー」にも好まれやすい。
グリップ性
アウトソールには変則的なヘリンボーンパターンを採用。
グリップ性能は以下のような特徴を持っています:
- 静止時/方向転換時にもしっかり止まる優秀な摩擦性能。
- スキール音(キュッと鳴る)も出やすい
- タフRB素材(通常のゴムの2.5倍の耐久性)により、屋外プレーにも対応。
- 一部で溝が細かくなっており、ホコリが詰まりやすい可能性もあるが、体育館でのプレーでは問題なし。
フィット性
アッパーにはテキスタイルメッシュ+TPU補強が施されており、以下のようなフィット感が得られます:
- 足全体を包み込むハーフブーティ構造を採用。
- 甲部分がややタイトなため、足の甲が高い人は要注意。
- シュータン部の構造がしっかりしており、紐の当たりによる痛みを軽減。
- サイドの補強が少なめなので、幅広の足にも比較的対応しやすい。
※ただし、全体的に「シュッとした」細身のシルエットなので、幅広・甲高の人はハーフサイズアップ推奨。
サポート性
ローカットモデルでありながら、サポート力は非常に高いのも特筆ポイントです。
- プロバーロックプレートがミッドソールに内蔵され、ねじれを適度に抑制。
- TPUヒールカウンター+巻き上げ式パーツが踵と中足部をしっかりホールド。
- サイドパネルの構造が外側の横ブレを抑える働きをするため、切り返し動作にも強い。
- ヒールまわりのパッドが豊富で、かかとの浮きやズレを感じにくい仕様。
その他
- 屈曲性の高いアウトソール構造により、足裏の動きが滑らか。
- 前足部の傾斜や形状が、ラッセル選手特有のステップやジャンプを意識した設計になっており、プレースタイルとのマッチングが深い。
- 通気性も高めで、長時間のプレーでもムレにくい。
全体として、「Dlo 1」は「軽量・高反発・高グリップ・安定感のあるフィットとサポート」というバランスの取れた性能を備えています。
特にガードやスピード重視のプレイヤーには非常に相性がよく、ドライブやステップの多いスタイルにもフィットする一足といえるでしょう。
LI-NING 「WADE Dlo 1」のサイズ感

LI-NING 「WADE Dlo 1」のサイズ感は、ナイキやアディダスなどの欧米ブランドとはやや異なるため、購入時には注意が必要です。
とくに「USサイズ」と「cm表記」のズレ、そして甲や幅のフィット感についての理解が重要です。
サイズ感
私は普段NIKEで29cm、ASICSで28.5cmを選択することが多いですが、「Dlo 1」はUS11サイズを選択しました。
全体的な印象としては「やや細身・ややタイト」なフィットです。特に以下の点に注意しましょう:
- 足の甲が高い方:ややタイトに感じる可能性あり。足入れ時に圧迫感を感じるレビューも多数あり。
- 足幅が広い方:シュッとしたシルエットなので、窮屈に感じる可能性あり。ハーフサイズアップが無難。
- 標準的な足型・細身の方:ジャストサイズで問題ないことが多い。
📝 補足:USサイズとcm(中国サイズ)表記の違い
USサイズ(表記) | LI-NING表記(cm) | 一般的な日本サイズ(cm) |
---|---|---|
US10 | 27.5cm | 約28.0cm |
US11 | 28.5cm | 約29.0cm |
US12 | 29.5cm | 約30.0cm |
普段履いている「USサイズ」で選ぶのが安全です。
ユーザーレビューに基づくサイズレビュー
各レビュワーのフィードバックをもとに、「Dlo 1」のサイズ感に関する傾向をまとめると以下のようになります。
✅ ジャストで合いやすい人
- 普段ナイキやアディダスで「US表記」に慣れている人
- 足幅が細め〜標準の人
- 甲が高くない人
⚠️ 注意が必要な人
- 足幅が広い人(例:EEE以上) → ハーフサイズアップ推奨
- 甲高な人 → 足入れ時にキツさを感じる可能性大
- サイズをcm(センチ)表記で選んでしまう人 → サイズ選択ミスが発生しやすいので要注意
👟 履きこなしのコツ
- 足幅が狭い方は「普段のUSサイズ+厚手ソックス」で快適に。
- 幅広・甲高の方はハーフサイズアップがおすすめ。
🧭 サイズ選びのガイドラインまとめ
足の特徴 | 推奨される選び方 |
---|---|
細身・標準幅 | 普段のUSサイズでOK |
幅広・甲高 | ハーフサイズアップ |
cm表記しか見ない方 | USサイズを基準に換算してから選ぶ |
「Dlo 1」はサイズさえしっかり選べば、多くのプレイヤーに快適な履き心地を提供するバッシュです。
ただし、日本のスポーツ量販店などでの取り扱いが限られており、試着が難しい点が最大のネック。
オンライン購入時はレビューを参考にしつつ、サイズチャートをしっかり確認しましょう。
LI-NING 「WADE Dlo 1」を実際に使用した私の体験談・レビュー

軽量バッシュの印象
「Dlo 1」を手に取った瞬間から感じたのが「この軽さは異常だな」という第一印象。
片足約360g(US11)というのは、スピードを武器とするプレイヤーにとっては大きなアドバンテージになります。
- ウォームアップの段階で足の可動域が広くなった感覚がありました。シューズに引っ張られないので、動作が素直に出せます。
- 速攻のシーンでは、軽さに加えてヒールの丸みが「踏み出し〜前傾加速」へ自然に繋がり、まるでスピードが増したような錯覚を覚えました。
- 長時間プレー(2時間程度)したあとでも、足首やふくらはぎに疲労が溜まりにくく、「軽い=疲れにくい」という効果を体感しました。
他のバッシュと履き比べてみると、「Dlo 1」は「装備してるのを忘れる系の軽さ」で、敏捷性重視のプレイヤーにはとてもフィットします。
クッションの反応性とコート感覚
ブームクッションは過去のモデルでも評価されていましたが、「Dlo 1」ではより薄く・鋭く・反応的な感触になっていました。
- フルレングスで搭載されていながら、接地感がしっかりあります。「沈みすぎないけど跳ねる」という理想的なクッションバランス。
- 特にステップバックジャンパーやユーロステップ時に感じたのは、一歩目の鋭さが出しやすいという点。地面に力を伝える→返ってくるという反応が俊敏。
- ヒールに搭載されたライトフォームウルトラは、着地時に「ふわっと沈んでパッと戻る」感覚。ジャンプ→着地→再加速の流れが非常に滑らか。
これまでの反発系バッシュだと、設置がフワフワしてブレる場面もありましたが、「Dlo 1」では足裏がしっかりグリップするような“接地の安定感”を感じられました。
グリップ性能とプレイスタイルの相性
「Dlo 1」のグリップは「しっかり止まる」「スライドしすぎない」だけでなく、止まるまでの過程が滑らかで、コントロールしやすいという特徴がありました。
- フルスピードでサイドステップをしても、グリップが足に吸い付くように反応してくれたので、止まりたい位置でピタッと止まれます。
- ピボット時も滑らず、足の向きに対してアウトソールがついてくる感覚があるため、細かな動きがぶれにくい。
- 外側のアウトソールはやや柔らかめに感じましたが、切り返し時には逆に“遊び”が少なく安定感がある印象。
- 埃っぽい体育館でもほとんど滑らず、途中で一度もアウトソールを拭く必要がなかったのは驚きでした。
このように、スピードに乗ったドライブ、急なストップ&ゴー、ステップバック、フェイクからの一歩など、クイックネスを求めるあらゆるシーンで“ズレのない反応”をしてくれる一足です。
フィット感と足との一体感
「Dlo 1」のフィット感は、「ハーフブーティ構造×薄型アッパー×程よい締め付け」が生む一体感にあります。
- 履いた瞬間に感じるのは、甲と足首周りのタイトさ。ただしこれは不快な圧迫ではなく、「ピタッと吸いつく感じ」。
- 紐をしっかり締めることで、足とバッシュが完全に一体化したような感覚になります。カカトのズレは一切なし。
- アッパーは通気性がありつつ、要所でTPU補強されていて、変なヨレやたわみも出にくいので、動作が安定する。
- 足幅が狭めの人にはとても快適ですが、甲高・幅広の人は「やや窮屈」と感じる可能性があるため、ハーフサイズアップがおすすめです。
サポート性能と安心感
ローカットながら、「Dlo 1」は非常に安心感のあるサポート構造を持っています。
- プロバーロックプレートはねじれを抑えるだけでなく、横ブレや踏み外しを防ぐ役割も果たしてくれます。
- ヒールカウンターはしっかりとしたパーツが内蔵されており、着地時の横ズレがまったく気にならないレベル。
- インソールの立ち上がりとパディングにより、足首が浮かずに固定される設計。ローカットなのに安心感があるのは、サポートパーツの配置バランスが絶妙だからです。
🧾 実戦での総合評価
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
軽量性 | ★★★★★ | 極めて軽く、スピード系プレーヤーに◎ |
クッション性 | ★★★★☆ | 反発と接地感のバランスが良い |
グリップ性 | ★★★★★ | 室内コートでの安定性は抜群 |
フィット感 | ★★★★☆ | 細足〜標準向け。甲高は注意 |
サポート性 | ★★★★☆ | ローカットとは思えないホールド感 |
コスパ | ★★★★★ | 2万円以下とは思えない完成度 |
「Dlo 1」は、プレースタイルや足の形によって好みが分かれる部分もあるものの、「俊敏性+快適性+価格のバランス」という意味では、近年でもトップクラスの完成度といえるバッシュです。
特に印象に残ったのは、「軽いのに反発があり、動きやすいのに安定感もある」という絶妙なバランス。
これはディアンジェロ・ラッセル選手のプレースタイルに深く根差した設計であり、シグネチャーモデルならではの思想を感じさせてくれました。
ガードやウィングのように機動力とコントロールを求めるポジションの方、または「設置感と反発のバランスが取れたバッシュを探している方」には、間違いなくチェックする価値のある一足です。
LI-NING 「WADE Dlo 1」に関するQ&A

LI-NING 「WADE Dlo 1」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「Dlo 1」はどんなプレースタイルの人に向いていますか?
軽量かつ高反発なクッショニング、そして高いグリップ性能を備えているため、特にスピード重視のガード系プレイヤーに最適です。ステップバックやカットイン、素早い切り返しが多いプレイヤーにフィットします。
クッションの感触は柔らかめ?硬め?
前足部はしっかり反発してくれる一方で、ヒール部分はやや沈むバランス型です。ふかふかしすぎず、設置感を重視する人にも扱いやすいクッション性です。
フィット感はどう?足幅広めでも履ける?
基本的には細めの設計なので、足幅が広い方や甲が高い方はハーフサイズアップを推奨します。ハーフブーティ構造で包み込まれる感覚が強いため、甲高・幅広の方には窮屈に感じる可能性があります。
サイズ選びで気をつけることは?
リーニンは他ブランドよりもサイズ表記が独特で、USサイズを基準に選ぶのが鉄則です。中国表記のcmサイズは実際より小さく感じるので、普段ナイキやアディダスで履いている「USサイズ」をそのまま選ぶと失敗が少ないです。
グリップは埃っぽい体育館でも効きますか?
グリップ性能は非常に高く、多少の埃なら問題なくプレーできます。アウトソールの素材やパターンが優れており、日常的な室内コートなら拭かずに使用しても安定感があります。
ローカットだけど足首周りのサポートは大丈夫?
内蔵されたTPUパーツとパッドがしっかり足首をホールドしてくれるため、ローカットでも不安は少ないです。ただし、捻挫リスクに敏感な方は、テーピングやサポーターと併用するのも一つの方法です。
屋外での使用はできますか?
アウトソールに耐久性の高い「タフRB」素材を使用しているため、屋外でも使用可能です。ただし、ソールの溝がやや細かい部分もあるので、アスファルトよりは屋外のバスケ専用コート向きです。
「Dlo 1」は初心者にもおすすめ?
はい。軽さ・クッション性・グリップの三拍子が揃っており、クセが少ないバッシュなので初心者でも扱いやすいです。むしろ「初めての高機能モデル」として最適な一足です。
ブームクッションは沈み込みが強い?反発が強い?
ブームクッションは基本的に反発重視のクッションです。ただし、「Dlo 1」では薄型設計になっており、沈み込みすぎず、しっかりした設置感もあります。地面を「蹴る感覚」が得られるので、爆発力のある一歩目を支えてくれます。
ソールの屈曲性はどうですか?ジャンプや切り返しに影響は?
「Dlo 1」は前足部に屈曲溝が入っており、屈曲性は高めです。ステップ動作が多いプレイヤーでもストレスを感じにくく、ジャンプ後の着地やターン時にも柔軟に追従してくれる感覚があります。
他のウェイドシリーズと比較するとどう?
例えば「808シリーズ」や「All City」シリーズに比べて、「Dlo 1」は軽量で柔軟性が高く、フィットもスムーズです。一方で、「より強めのサポート」や「重厚感」を好む人は808シリーズの方が合うかもしれません。
このシューズの耐久性は長く持ちますか?
タフRBアウトソールやTPU補強により、屋外含めた高頻度使用にも対応できる耐久性があります。ただし、アッパーのメッシュ素材は摩耗しやすいため、外で激しく使う方は若干劣化が早い可能性もあります。
靴紐はどんな感じ?結びやすさやホールド感は?
「Dlo 1」のシューレースは細めの丸紐タイプで、結びやすくホールド力もあります。ただし、足型や結び方によっては紐が直接足に当たって気になるケースもあるので、厚手のソックスなどで調整がおすすめです。
LI-NING 「WADE Dlo 1」レビューのまとめ

◆ 全体総括:シグネチャーとしての完成度
LI-NING 「WADE Dlo 1」は、ディアンジェロ・ラッセル選手の初シグネチャーモデルとして、単なるブランド戦略に留まらず、プレースタイルやフィジカル特性に深く基づいた「実戦対応型」の一足に仕上がっています。
このモデルの設計思想は、「蝶のように舞い、針のように刺す」ラッセル選手の柔らかさと鋭さの二面性を、デザインとパフォーマンスに落とし込むことにあり、それは細部にまで現れています。
軽さ・クッション・グリップ・サポートのいずれにも明確な狙いがあり、トータルバランスが極めて高いです。
◆ 項目別評価
項目 | 評価内容 |
---|---|
デザイン性 | 「蝶」モチーフ、太極図、名言の刻印など、シグネチャーらしいアイデンティティを持った意匠設計。カラー展開も個性的。 |
軽量性 | US11で約360g。バッシュの中ではトップクラスの軽さ。機動力・ジャンプの回数が多いプレイヤーに恩恵あり。 |
クッション性 | BOOMクッション+ライトフォームウルトラによる高反発&安定着地。反応性が鋭く、設置感もしっかり残る設計。 |
グリップ性 | ヘリンボーンパターン+高耐久ラバーであらゆる床質に対応。埃の多い体育館でも性能を保ちやすく、アウトコートにも一定の耐性あり。 |
フィット性 | ハーフブーティ構造とタイト目アッパーで高い一体感を実現。ただし甲高・幅広の足には調整やサイズアップが必要。 |
サポート性 | プロバーロックプレート、TPUヒールカウンター、アウトリガー搭載など万全のサイドサポート設計。ローカットなのに安心感があるのは見事。 |
耐久性 | アッパー素材やソール構造により標準〜高めの耐久性。過酷な使用環境ではアッパーの摩耗に注意。 |
コスパ | 価格は税込17,900円前後。性能と価格のバランスが非常に優秀。エントリーモデルと並ぶ価格で、プロ仕様レベルの体験が得られる。 |
◆ このバッシュが向いているプレイヤー
以下のようなプレイヤーには、特に「Dlo 1」がフィットします:
- スピードと柔軟性を武器にするガード/ウイング系プレイヤー
- ステップバックやドライブを多用する「横の動き」が多いプレイヤー
- 軽量・高反発・高グリップという性能バランスを重視する人
- 個性的でデザイン性にもこだわりたいシューズユーザー
- エントリー価格で本格的な機能を試してみたい中級者〜上級者
◆ 購入前に特に気をつけるべき点
- サイズ選びは必ず「US表記」で行うこと。cm表記とのズレで失敗する可能性あり。
- 足幅が広い/甲が高い人は、ハーフサイズアップまたは試着を推奨。
- 細身な構造なので、靴下の厚さやインソールで微調整を行うとよりフィット感が向上。
🎯 LI-NING 「WADE Dlo 1」レビューの総括
LI-NING 「WADE Dlo 1」は、ディアンジェロ・ラッセル選手のプレースタイルを見事に体現し、軽量性・反発力・グリップ性・デザイン性というあらゆる面において高い完成度を誇るバスケットボールシューズです。
プレーヤーの動きに自然に追従する構造や、ローカットながらも安心感のあるサポート性能、そしてコートとの一体感を感じさせるクッション設計は、まさに実戦を想定した本格仕様。
価格を抑えながらも、プレーの質を確実に引き上げてくれるこのモデルは、初めてのシグネチャーモデルという枠を超えて、真に使える一足として完成されています。
シューズに求められる要素をバランスよく備え、初心者から経験者まで幅広く支持される理由がそこにあります。
あなたのバスケライフに、新しい一歩を踏み出す相棒として、この「Dlo 1」はきっと心強い存在になるはずです。